インターネットを快適に使うために通信速度が速いに越したことはありませんが、具体的にどれほどの速度が出ればいいのか気になりますよね。
必要な通信速度の目安はインターネットを使う目的で変わってきます。用途次第ではそれほど優れた速度が必要ない場合もありますが、最低でも2ケタ以上の数値が出たほうが安心です。
ここではインターネットを使ううえで必要な通信速度の目安をご紹介します。通信速度が遅いときの改善方法もご紹介するので、快適にインターネットを使いたい人は参考にしてくださいね。
Contents
快適な通信速度の目安は用途別で違う
通信速度には下り速度と上り速度の2種類があります。
下り速度はウェブサイトや動画を読み込むときのスピード、つまりダウンロード速度で、インターネットを使うときにもっとも速さが求められる種類です。
上り速度はデータを送るときのスピードで、動画のアップロードやメールやSNSメッセージを送るときの速度を指します。
インターネットを使うときは基本的に下り速度の速さが重要視されますが、用途によっては上り速度の速さも求められるので、用途別に必要な速度の種類と速さを知っておきましょう。
必要な下り速度の目安
必要となる下り速度の目安はインターネットを使う目的で変わります。以下3つの用途別に必要な下り速度はどれほどかご紹介します。
- ウェブサイトを見る
- 動画を見る
- オンラインゲームで遊ぶ
ウェブサイトへのアクセスに必要な目安は1Mbps以上
アクセスするウェブサイトにアクセスするには、最低でも下り速度が1Mbps出ている必要があります。下り速度が1Mbps以下になると、ウェブサイトの読み込みができなくなってしまいます。
ウェブサイトが読み込めないと、インターネットがまったく使いものになりません。
高画質動画を見る目安は5~10Mbps
動画を見るときに必要な下り速度は画質ごとに異なりますが、高画質で視聴するには5Mbps以上、できれば10Mbps以上の下り速度が出るのが理想的です。
下り速度が5Mbps出来ていれば十分視聴ができますが、たまに再生が止まる可能性があるので、快適に見るなら10Mbpsが必要と考えてください。
画質設定を標準にすると下り速度が1Mbpsになっても動画を視聴できますが、今は高画質で動画を見るのがスタンダード、将来的には4Kで動画を見るのが主流になると考えられるので速度が速いに越したことはありません。
PS4・Switchのネトゲの目安は10Mbps以上+Ping値1ケタ
PS4やNintendo Switchなどのオンラインゲーム対戦で遊ぶ場合も下り速度が10Mbps以上出ている必要がありますが、Ping値が良いのかも求められます。
Ping値とはインターネット回線の応答速度で、オンラインゲームで遊ぶ状況で例えるとボタンを押してからゲームが反応するまでの速度です。
Ping値は下り速度とは違って数値が低いほど良く、理想は1ケタ代です。1ケタ代が無理だとしても、快適にオンラインプレイをするにはPing値を10~20ms以内にしておきたいところです。
必要な上り速度の目安
先ほどもご説明しましたが、上り速度が必要な用途は以下の2つです。
- 動画のアップロード
- メール・SNSメッセージの送信
動画のアップロードをするかで必要な上り速度はかなり変わってきます。
動画のアップロードでは10Mbps以上が必須
配信サイトなどの動画をアップロードするには10Mbps、できればそれ以上の上り速度が必須です。画質にもよりけりですが、画質が良いほど上り速度が速くないとアップロードに時間がかかってしまいます。
上り速度が10Mbpsを以下だと10分の動画をアップロードするだけでも1時間以上かかります。
メール・SNSメッセージの送信は1Mbpsほどあれば十分
メールやSNSメッセージのメッセージ送信で利用する通信量は微々たるものなので、上り速度が1Mbpsほど出ていれば不便とは感じません。写真を添付すると送信にかかる時間は若干かかりますが、1Mbpsも出ていればほんの数秒で終わります。
基本的に最重要なのは下り速度
これまでの必要な通信速度の目安を踏まえると、動画のアップロードをしない限りは下り速度の速さが最重要となり、上り速度はさほど必要ではありません。ウェブサイトや動画を見るぐらいの人は、とことん下り速度の速さをこだわりましょう。
上り速度が必要になるのは動画のアップロードを行うときぐらいです。オンラインゲームで遊ぼうと考えている人はPing値も意識しましょう。
自分の通信速度をチェックできる測定サイト
自分が利用している回線の通信速度を知りたい、速度遅いと感じて数値を計測したいと思っている人もいるのではないでしょうか?自分が利用している回線の通信速度は、測定ツールを使えば簡単にわかります。
速度測定のツールにはさまざまな種類がありますが、以下の2つが使いやすくおすすめしやすいです。
- Speedtestの測定サイトおよびアプリ
- Googleのスピードテスト
有名な速度測定ツールのSpeedtest
もっとも簡単に使える速度測定ツールはOoklaの「Speedtest」です。Speedtestではブラウザでサイトにアクセスして「GO」を押すだけで、すぐに通信速度を計測できます。
Ping値も同時に計測できるので、オンラインゲームで遊べるほどの速度が出るか調べたい人にもおすすめです。
iPhoneとスマホ向けにアプリも無料で提供されています。
アプリでも「GO」をタップするだけで通信速度を計測でき、Wi-Fiだけでなく4G回線の通信速度も調べられます。
アプリ不要で速度測定ができるGoogleのスピードテスト
アプリが不要で速度を計測できるGoogleのスピードテストもよく使われているツールの一つです。Googleのスピードテストではお馴染みのGoogleの検索エンジンで「Speedtest」と検索して、次の画面で「速度テストを実行」を押すだけ速度を計測できます。
計測結果をもとに今の速度ではどのような使い方ができるのかも表示されるので、速度にまつわる知識がない人でも測定結果がどのような内容なのかを判断できます。
通信速度が目安未満だったときの改善方法
下り速度や上り速度が目安よりも遅い場合、利用する接続機器および周辺機器をより性能が高いものにするか、契約回線やプロバイダを変えるなどの方法で改善が可能です。
接続機器や周辺機器のスペックを上げる
下り速度と上り速度が遅いときの基本の対処法は、性能の良い接続機器と周辺機器を利用するに尽きます。性能が高い接続機器と周辺機器はどれなのかは、対応の無線LANやLANポートの規格を知ればわかるようになります。
最大通信速度が速い規格に対応したデバイス・ルーターの利用がおすすめ
Wi-Fiと有線のどちらで接続している場合も、通信速度が遅いときは高性能なデバイスやルーターへの買い換えを検討してみましょう。
Wi-Fiに接続したときの通信速度が遅いのであれば、最大通信速度がもっとも速い無線LAN規格に対応のデバイスやルーターの利用がおすすめです。
無線LAN規格には5つの種類があり、11acに対応したデバイスとルーターを利用するのがWi-Fi接続時の通信速度を改善する策になります。
規格 | 最大通信速度 |
11ac | 6.9Gbps |
11n | 600Mbps |
11g | 54Mbps |
11b | 11Mbps |
11a | 54Mbps |
有線接続時の通信速度が目安に達しない場合、LANポートの規格が1000BASE-Tのデバイスとルーターの利用がベストな改善策です。
規格 | 最大通信速度 |
1000BASE-T | 1Gbps |
100BASE-T | 100Mbps |
10BASE-T | 10Mbps |
有線接続の通信速度を改善させたい人は、利用するLANケーブルの買い換えも視野に入れておきましょう。LANケーブルにも6種類の規格があり、最低でもCAT5e対応のケーブルが必須です。
規格 | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
CAT8 | 40Gbps | 2000MHz |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz |
CAT5e | 1Gbps | 100MHz |
CAT5 | 100Mbps | 100MHz |
LANケーブルの形状も通信速度に影響を与える要素です。LANケーブルの形状にはスタンダードと極細、フラットの3種類がありますが、通信速度を安定させたいならスタンダードの利用をおすすめします。極細とフラットは周辺にある家電製品からのノイズを拾いやすいので、通信速度が不安定になりがちです。
WiMAXではルーターの置き場所を変える方法も
室内でWiMAXを利用していて通信速度が遅いと感じた場合、ルーターを置く場所を見直してみる方法もあります。
WiMAXで利用する回線の電波は建物や壁があると途切れやすい特徴があり、ルーターを窓際に置くと電波が入りやすくなって通信速度の改善につながる場合が多いです。
契約する回線・プロバイダを変える
すでに性能が高い規格に対応したデバイスやルーターを使っている場合、契約している回線やプロバイダの見直しが必要になってきます。評価が良くない回線やプロバイダとの契約が通信速度が遅くなる根本的な原因になっている可能性があるからです。
光回線を例にすると、どこで契約しても最大通信速度は1Gbpsですが、実際に出る速度は回線およびプロバイダの通信設備の良し悪しで決まります。通信設備が良くない回線やプロバイダを契約していると、どれだけ性能の良い接続機器や周辺機器があっても通信速度は速くなりません。
おすすめの乗り換え先厳選4社
通信速度を改善するために他社へ乗り換えるときのおすすめを4つ厳選しました。
- ソフトバンク光
- ビッグローブ光
- ドコモ光
- WiMAX
オンラインゲームで遊ぶか動画のアップロードをする人なら、固定回線の①~③を検討してみましょう。ウェブサイトや動画を見るのがメイン用途であれば、工事をせずに契約できるWiMAXもおすすめです。
①から③はあとで紹介するIPv6対応事業者のなかでもとくに通信速度の評価が高いです(ただ、ドコモ光ではIPv6対応プロバイダを選ばなければならないので要注意です)。
提供エリアに限りこそありますが、独自の回線でサービスを提供しているNURO光やauひかりも評判が良いのでオススメです。
固定回線ではIPv6を利用する方法もあり
通信速度が遅いと感じている固定回線ユーザーの人であれば、IPv6を使ってみる方法もあります。IPv6は通信プロトコルの一種で、速度低下の原因となる回線経路を利用しないIPoE形式での接続ができる利点があります。
引用元:https://www.nttdocomo.co.jp/hikari/provider_list/docomo_net/ipv6/index.html
契約している回線やプロバイダがIPv6に対応しているのであれば、通信速度を改善する対策として1度活用してみましょう。IPv6を利用するには対応の接続機器と通信機器が必要ですが、今販売されているスマホやパソコン、ルーターのほとんどは対応しています。
まとめ
ここでは必要な通信速度の目安はどれほどなのかを解説をしました。
【快適な通信速度の目安は用途別で違う】
通信速度には下りと上りの2種類があり、使い方でどちらの速度が必要かが違います。用途別で必要な速度の種類と速さは以下の通りです。
速度種別 | 必要となる用途 | 必要な速度の目安 |
下り | ウェブサイトの閲覧 | 1Mbps以上 |
動画の視聴 | 5~10Mbps以上 | |
オンラインゲーム | 10Mbps以上 Ping値も1ケタか10~20ms以内に収める必要あり | |
上り | 動画アップロード | 10Mbps以上 |
メール・SNSメッセージの送信 | 1Mbps以上 |
【自分の通信速度をチェックできる測定サイト】
利用している回線やプロバイダの通信速度は以下のツールで確認できます。
- Speedtestの計測サイトやアプリ
- Googleのスピードテスト
【通信速度が目安未満だったときの改善方法】
通信速度が遅いときの改善方法は以下の2つです。
- 接続機器や周辺機器のスペックを上げる
- 契約する回線・プロバイダを変更する
接続機器や周辺機器のスペックを上げるのであれば、以下の規格に対応したデバイスとルーターを用意するといいでしょう。
利用する接続方式 | 対応規格 |
Wi-Fi | 11ac |
有線 | 1000BASE-T |
有線接続を利用するのであれば、形状がスタンダードで対応規格がCAT5e以上のものを使いましょう。
契約する回線やプロバイダの変更が必要であれば、IPv6に対応の事業者がオススメです。